追加公演情報
InTRODUCTION
その多彩で膨大な作品でジャンルを横断し続け、
世界で今最も重要な音楽家の1人であるジョン・ゾーン。
彼が70歳になるのを記念して、フランスを代表する俳優・映画監督であるマチュー・アマルリックが制作した音楽ドキュメンタリー『Zorn』3部作が日本初公開される。
そして映画の上映後に複数のミュージシャンのためのゲーム理論を応用したゾーンの代表作”COBRA”のライブが、「ZornⅠ(2010-2016)」にも出演するヒカシューの巻上公一率いるスペシャル部隊によって開催される。
What is “Zorn”
『Zorn』3部作は2010年から12年かけて撮影された、
ジョン・ゾーンの音楽制作の現場に密着した貴重なドキュメンタリー映画である。
マチュー・アマルリックはジョン・ゾーンに深く信頼された数少ない映画監督として、
12年という信じられないほどの時間、彼の現場に密着し生のジョン・ゾーンの姿をとらえてきた。
「彼らは、感情や感覚に対する絶え間ない強迫観念、芸術に捧げるたゆまぬエネルギー、
人生に対する飢餓感を通してつながっている。ーPatrick Holzapfel」
音楽に対する激しい情熱と愛、そして誰よりも真摯な心を持つこの不世出の音楽家の、表情、声、
そしてその手から生み出される音楽を、ぜひ目撃してほしい。
【主演】
ジョン・ゾーン
1953年アメリカNY出身のサクソフォン奏者、作曲家、編曲家、インプロバイザー、プロデューサー。
ジャズ、ロック、ハードコア、クラシック、アンビエント、ワールドミュージックなど様々なジャンルを吸収した前衛的かつ実験的なアプローチで、作曲と即興演奏の新しい地平を常に開き、膨大な作品を発表し続け、多くの優れたミュージシャンとコラボレーションしながら、音楽シーンを牽引してきた。現在「世界で最も重要な作曲家の一人(Down Beat )」であり、「ほとんどメインストリームの外側で活動してきたが、今や最も影響力のあるミュージシャンの一人(Rolling Stone)」である。
親日家としても知られ、80年代後半から90年代前半、高円寺に住んでいた時期があり、日本の歌謡曲・映画などにも非常に詳しく、山塚アイ、巻上公一、灰野敬二、吉田達也など、日本のミュージシャンとの共演も多数、日本の音楽シーンに多大な影響を及ぼした。
【監督・撮影・録音】
マチュー・アマルリック
1965年、フランス、パリ郊外の生まれ。父はル・モンド紙の名物記者、母は文芸評論家。1984年、名匠オタール・イオセリアーニ監督作「月の寵児たち」で映画デビュー。アルノー・デプレシャン監督作「そして僕は恋をする」(96)に主演して注目を集め、セザール賞有望若手新人賞を受賞。「キングス&クィーン」(04)と「潜水服は蝶の夢を見る」(07)でセザール賞主演男優賞を受賞。フランス映画だけでなく「ミュンヘン」(05)、「007 慰めの報酬」(08)、「グランド・ブダペスト・ホテル」(14)など幅広い活躍で国際的な俳優として人気を得る。監督としては、1997年「スープをお飲み」でデビュー。「さすらいの女神たち」(10)でカンヌ映画祭の監督賞と国際映画批評家連盟賞を受賞。「バルバラ セーヌの黒いバラ」(17)ではカンヌ映画祭ある視点部門開幕作品に選ばれるなど高く評価されている。
What is “COBRA”
「COBRA」とは、複数のミュージシャンのためのゲーム理論を応用したジョン・ゾーンの代表作である。プロンプターからの指示と、ミュージシャンによる合図、メンバー全体の意思疎通によって予測不可能な演奏が進行していく。
システムの詳しい内容はジョンゾーンの口伝により、限られたミュージシャンにしか伝えられておらず、今回はジョンの意向により巻上公一がプロンプターを務め、この日限りの特別メンバーによるCOBRA東京作戦が開催される。