【主演】

ジョン・ゾーン

1970年代半ばにNYのダウンタウンの音楽シーンに入り、即興的なアーティストとコラボレーションしながら実験的な音楽を作曲する新しい方法を開発した。1985年にノンサッチ・レコードからエンニオ・モリコーネの映画音楽を過激に再構築した『The Big Gundown』がリリースされ、広く賞賛された。自身が率いるバンド〈Naked City〉、〈Painkiller〉などでパンク・映画音楽・カントリー・フリージャズなどの影響の元さまざまな手法を取り入れた実験的な演奏を行い、そのアルバムに世界から大きな関心が寄せられた。


親日家としても知られ、80年代後半から90年代前半、高円寺に住んでいた時期があり、日本の歌謡曲・映画などにも非常に詳しく、山塚アイ、巻上公一、灰野敬二、吉田達也など、日本のミュージシャンとの共演も多数、日本の音楽シーンに多大な影響を及ぼした。

90年代半ばに自身のレコード・レーベル〈Tzadik〉を設立、増え続ける膨大な新曲を録音し、リリースしている。また多くの注目すべき実験音楽・映画音楽・ユダヤ人アーティスト・若手アーティストの作品を多くリリース、プロモーションしている。


自身の出自であるユダヤ文化の研究に取り組み、クレズマーなどユダヤ音楽のアイディアに着想を得て〈Masada〉プロジェクトシリーズとして数百曲を作曲し、マサダ・カルテットやマサダ・ストリングスなどの、ジョン・ゾーンが愛する仲間といくつかのグループで発展しながら演奏されている。

〈John Zorn’s COBRA〉など即興演奏家のためのゲームスタイルを取り入れたゲームピースも多数考案している。

クラシック音楽家のための作品も多数作曲し、Kronos Quartet やニューヨークフィルハーモニーなど世界中のオーケストラやアンサンブルで演奏されている。

ミュージシャンによる作曲プロセスについてのインタビューやエッセイを集めた書籍「Arcana」シリーズを継続して発表し続けている。


また2005年に前衛的なパフォーマンス・スペースであるThe Stoneをニューヨークのダウンタウンに設立、現在もグリニッジ・ヴィレッジのザ・ニュー・スクールで継続して寄付と限定CDの販売のみで運営している。


どの作品もプロジェクトも非常にユニークで実験的で思索的であり、膨大な仕事量と作品群は他の追随を全く許さない。世界中の音楽ファンから尊敬され、注目され、影響を与え続ける天才中の天才である。


主な共演者に、マーク・リボー/Marc Ribot、フレッド・フリス/Fred Frith 、マイク・パットン/Mike Patton、ビル・ラズウェル/Bill Laswell 、ビル・フリーゼル/Bill Frisell 、クリスチャン・マークレー/Christian Marclay、アート・リンゼイ/Arto Lindsay、ネッド・ローゼンバーグ/Ned Rothenberg、ジョイ・バロン/Joey Baron、イクエ・モリ/ Ikue Mori 、シロ・パプティスタ/Cyro Baptista など。